ダイヤモンドの輝きや煌めきを決定づける一番大切な要素は“CUT : カット”です。
カットは主にプロポーションとフィニッシュ(仕上げ:ポリッシュ 研磨状態とシンメトリー 対称性の要素を含む)で構成され、この2つが優れているとき、ダイヤモンドから光が放たれているような輝きや煌めきが生まれます。
婚約指輪などで最も多く使われる58面体(キューレット面を除くと57面体)の「ラウンドブリリアントカット」は、ダイヤモンドに注がれた光を最も効率よく光学的に反射させる形として考え出されました。
カットの評価基準が決められている唯一の形でもあります。
ダイヤモンドの“カット”は、ハートやペア、エメラルドなどしばしばその形状(シェイプ)のことと思われることがありますが、カットグレードとはファセット(カット面)や角度がどのように研磨されたのか、ダイヤモンドと光がいかに相互作用するかを評価するものです。
ダイヤモンドで最も魅力的なのは、キラキラと煌めく輝き。それを可能にしているのが緻密で高品質なカットです。カットはダイヤモンドの最終的な美しさと価値にとって極めて重要です。
ブリリアンスプラスが取り扱うダイヤモンドに付属する鑑定書に記載されるグレードは、以下の通りです。鑑定機関によって鑑定書に記載されるグレードの種別は異なります。
※ブリリアンスプラスが取り扱うダイヤモンドの中でIDEAL評価を採用しているのはラボグロウンダイヤモンドのみとなります
※ラボグロウンダイヤモンドは店頭のみでのお取り扱いです
カットの良し悪しは、ダイヤモンドに注がれた光がどれくらい美しく目に映るのかを左右します。ファセット(カット面)同士の角度や対称性がベストなバランスを取っていないと、十分な量の光が美しく反射されず、魅力的な輝きを放てません。
例えばダイヤモンドを見た目の重さや大きさだけを優先して、削り取る部分が少なくなるようカットすると、重さだけは大きく直径が小さい縦に長いものや、逆に直径だけが広く薄っぺらなものに仕上がってしまいます。
その場合、見た目やカラット数が大きくなっても、ダイヤモンドに通る光が上手く反射しないため、輝きが著しく損なわれてしまいます。このようにカットグレードの低いダイヤモンドは、ダイヤモンドとしての魅力が損なわれてしまいます。
(左からカットグレードがExcellent、Good、Poor)
出典: GIA「ダイヤモンドのカット:印象の要因」より
一方カットグレードの優れたダイヤモンドは、重さや大きさを優先させることなく、美しい輝きを得るために原石を惜しみなく磨き上げてつくられた職人技の賜物。綺麗に正確にカットされたダイヤモンドは、魅力的に華やかに煌めきます。
婚約指輪のための特別なダイヤモンドには、美しさ際立つカットグレードが上位のものをお選びいただくのがお薦めです。
カットは4Cの中で唯一、人の手による精巧で芸術的な職人技が必要とされ、分析にも高い技術が求められます。
※ラウンドブリリアントカット以外のシェイプには、カットグレード(カットの総合的な評価)はありません。カットグレードが適用されるのはラウンドブリリアントカットのダイヤモンドの中でも、DからZのカラーグレード範囲およびフローレスからI3のクラリティ(透明度)範囲に該当する、標準ラウンドブリリアントダイヤモンドのみです。
ダイヤモンドから光が放たれているような壮麗な輝きを生み出すためには、ダイヤモンドを形作る比率を表す「プロポーション」と、「仕上げ(フィニッシュ)」の2つの要素が重要です。それをさらに細分化すると全部で7つの構成要素に分かれます。
鑑定の際は、7つの構成要素を「機械による鑑定」と「プロの鑑定士の目視による鑑定」という2つの手法で評価します。
なお、ブリリアンスプラスではExcellent評価以上を取り扱っており、その中をさらに3EXとEXに細分化しております。
カットグレードの構成要素
総合的カットグレードがExcellentかつ、フィニッシュ(仕上げ)を構成する2つの要素「ポリッシュ(研磨)」「シンメトリー(対称性)」が共にExcellentのものを、宝石業界では一般的に“3EX”と表します。
3EXというカットグレードがあるわけではないため、鑑定書にも“3EX”とは表記されていません。
しかし、カットグレードの総合評価に加え、付加価値として3EXを選ばれる方は多く、ブリリアンスプラスとしてもおすすめのグレードとなります。
また、ブリリアンスプラスでは、Excellent評価以上のダイヤモンドにのみ現れるH&C(ハートアンドキューピッド)現象の認定評価基準も採用しております。
ハートを射止める輝き H&C(ハートアンドキューピッド)とは? ブリリアンスプラスが取り扱うプロポーションとは、ダイヤモンドの全体的な形のバランス。外観に基づいた特徴のことです。ダイヤモンドのカット面(ファセット)角度や相対的寸法の関係性を指し、テーブルサイズ・クラウン角度・パビリオン角度・ガードル厚等の要素で構成されます。
優れたプロポーションで良好な
研磨が施されたダイヤモンド
- ガードル
- ダイヤモンドの最も外周の部分を指し、クラウンとパピリオンの境界線に位置します。
- クラウン
- ガードルより上の部分で、まるで王冠のように見えることが名前の由来です。
- パビリオン
- ガードルより下の領域を指します。
- 直径
- ダイヤモンドの幅のことで、ガードル部分を測定して定められます。
- テーブル
- 宝石の中で最も大きなカット面(ファセット)のことです。上から見ると八角形の平らな面を形成しています。
- スター
- テーブルファセットに接している三角形をした面のことです。テーブルファセットの辺の数に合わせて8面あります。
- ローワー・ガードル / ハーフ・ファセット
- ローワーガードルはガードルと接したパピリオン側にある、三角形をした16個の面を指します。別名ローワー・ハーフ・ファセットと呼ばれます。
- キューレット
- パピリオン面が集まる先端部分にある、非常に小さなファセットです。
仕上げ(フィニッシュ)とは、ダイヤモンドの反射する光のグレードを左右する鑑定要素で、「ポリッシュ 研磨状態」と「シンメトリー 対称性」の2つで構成されます。
ポリッシュ(研磨)
ダイヤモンドのファセット(カット面)すべての研磨状態を指します。ポリッシュ 研磨状態のグレードはダイヤモンドを磨きあげる仕上げの工程、あるいは仕上げ後に生じた疵(きず)などに影響されます。
研磨を必要以上に急いだり、カッティングマシーンの調整不良や研磨方向を誤ってできた痕跡などが生じるとグレードが下がっていきます。
ダイヤモンドのプロポーションが理想的な形でも、表面が綺麗に磨かれていなければ光は的確に反射透過しません。
仕上げの磨きも、ダイヤモンドの輝きに大きな影響を及ぼす大切な要素です。
ダイヤモンドのアウトライン、それぞれのファセットのサイズ、配列、角度などのバランスや均質性を要素として評価されます。対称性がずれると、決められた角度に光が反射せず本来の美しさを損ねてしまいます。
H&C(ハートアンドキューピッド)とはダイヤモンドを専用のスコープで見た時に、尖った底面(キューレット)側にハートのパターン、平らな表面(テーブル)側にアロー(矢)のパターンが見える現象のことです。優れたカットプロポーションと、ある水準以上の整ったシンメトリー 対称性を持ったダイヤモンドのみに現れ“プロポーズでハートを射止める輝き”として人気があります。
「ハートアンドキューピッド」は、リングやネックレスの枠に留めてしまうとハートのパターンが確認できなくなります。
特別なハートパターンを楽しんで欲しいという方には、ダイヤモンドだけでプロポーズをする“ダイヤモンドでプロポーズ”がお薦めです。
ダイヤモンドをリングやネックレスに仕上げる前の形でお相手様にお渡しするので、ハートと矢印の両方のパターンを見ることができます。愛らしい模様を愛でる、特別な時間をお楽しみいただけます。ダイヤモンドでプロポーズについて詳しく見る※一般的に海外ではH&A™(ハートアンドアロー)という名称が使用されますが、日本国内では商品登録上使用に制限があるため「ハートアンドキューピッド」が同義語として広く使われています。
※「ハートアンドキューピッド」の表記が記載される鑑定書は、CGL(中央宝石研究所)発行のもののみです
※「ハートアンドキューピッド」はカットグレードの評価基準ではありません。あくまでも視覚的な対称性を伴った現象で、このパターンが見られるダイヤモンドは対称性が優れたものと言えます。一般的にある範囲のプロポーションと水準以上の対称性があれば、カットグレードがExcellentではなくVeryGoodでも「ハートアンドキューピッド」は観察することができます。ブリリアンスプラスのダイヤモンド検索表記について
弊社ECサイトのダイヤモンド検索画面は、以下3つの細分評価を踏まえ構成されています。
・総合的なカットグレード評価
・フィニッシュ(仕上げ)
・H&C(ハートアンドキューピッド)
カットグレードの総合評価はExcellentが最高ランクですが、検索画面では付加価値としてH&C(ハートアンドキューピッド)や、3EXの評価がついたダイヤモンドもお選びいただくことが可能です。※カットグレードの総合評価がExcellentかつ、フィニッシュの評価基準である「ポリッシュ(研磨)」「シンメトリー(対称性)」ともにExcellentと、3つExcellentが揃った状態を“3EX”と表記しております
※ECサイトではIDEALグレードの取り扱いはございません
トリプルエクセレントとは、カットを評価する際の主要なポイントとなる総合的なカットグレードがExcellent、さらにフィニッシュ(仕上げ)を構成する2つの要素「ポリッシュ 研磨状態」「シンメトリー 対称性」も共にExcellentと、3つの基準全てがエクセレントグレードであることを意味します。
宝石業界では一般的に”3EX”と表しますが、3EXというカットグレードがあるわけではありません。鑑定書にも”3EX”とは表記されていません。
3EX H&C(トリプルエクセレント ハートアンドキューピッド)はトリプルエクセレント評価に加え、ハートアンドキューピッドのパターンも見られる最高級カットグレードです。ブリリアンスプラスの婚約指輪では、カットグレードとして一番選ばれている品質です。高い白色光の反射と色のきらめきに富み、明暗のほどよいコントラストのパターンが均等に整っているため、美しく力強く輝きます。
3EX H&C(トリプルエクセレント ハートアンドキューピッド)のダイヤモンドを探すカットグレードがエクセレント、ポリッシュ 研磨状態とシンメトリー 対称性の双方かいずれかがベリーグッド評価で、ハートアンドキューピッドのパターンが認定されているもの。肉眼では3EX H&C(トリプルエクセレント ハートアンドキューピッド)との違いを確認することはできません。
H&C EX(ハートアンドキューピッド エクセレント)のダイヤモンドを探す
カットグレード・ポリッシュ 研磨状態・シンメトリー 対称性の3つの要素すべてがエクセレント評価で、ハートアンドキューピッドのパターンが認定されていないもの。最高級のカット評価です。
3EXのうち多くはハートアンドキューピッドのパターンの大部分を確認できますが、部分的にパターンが薄かったり、パターンの大きさに少しバラツキがあると認定外となります。カットグレードは最高品質なので、肉眼では3EX H&C(トリプルエクセレント ハートアンドキューピッド)との違いを確認することはできません。
カットグレードがエクセレント評価、ポリッシュ 研磨状態とシンメトリー 対称性の双方かいずれかがベリーグッド評価で、ハートアンドキューピッドのパターンが認定されていないもの。ダイヤモンドを美しく輝かせる光学的に非常に優れたカットグレードで、見た目では上位の3EX H&C(トリプルエクセレント ハートアンドキューピッド)・3EX(エクセレント)・H&C EX(ハートアンドキューピッド エクセレント)と遜色がないグレードです。
Excellentのダイヤモンドを探すカットグレードを評価する際の指標「ブライトネス」「ファイアー」「シンチレーション」は美しくカット(仕上げ)されたダイヤモンドにだけ見られる輝きや煌きの特性です。
ダイヤモンドを正面から見た時に、内部外部のファセットから反射されて見える白色の光のことをいいます。最良にカットされたダイヤモンドは、そのサイズや色、クオリティ(透明度)が同等であっても、カットの質が悪いものより明るくなります。一般的に、ダイヤモンドが明るければ明るいほど、そのグレードは高くなります。
ダイヤモンドに入射した白色光がダイヤモンド内部で屈折反射を繰り返し、スペクトルに分散された虹色のことを示します。ダイヤモンドをライトの下で動かすと赤・青・黄色・オレンジ色の煌きが確認できます。
シンチレーションはダイヤモンドの煌めきとパターンの組み合わせのことです。ダイヤモンド・照明・観察者のいずれかが動いた時、ファセットから閃光または煌きが生じます。このキラッと光るフラッシュ効果をシンチレーションと言います。Excellentグレードで容易に見られる細かいシンチレーションは繊細で美しく魅力的です。
この3つが最も高い水準で備わっているのがエクセレントカットの特徴で、ダイヤモンドを最も魅力的に輝かせます。他のグレードと比べると非常に明るく、明暗のバランスの良いコントラストを示し、整ったパターンが現れ、鮮やかで繊細な最良の反射が見られます。
一方、グッドやプアなどの下位のグレードになると、カット面の明暗のコントラストにもバラつきがあり反射や細やかな輝きもぼやけて暗くくすみなどが見られます。
“カットグレードレファレンスチャート”は、ラウンドブリリアントカットの評価に必要な測定箇所の最小最大範囲を示しています。各範囲を外れた測定値はダイヤモンドのカットグレードを下げる要因となります。
ただし、GIAカットグレーディングシステムは条件合致方式ではなく、各パラメーター値の組み合わせにより評価がきめられるため、許容値に入るテーブル広さ、クラウンとパビリオン角度の組み合わせであっても、カットグレードがプロポーショングレードと一致しない下位評価になることがあります。
EXCELLENT | VERY GOOD | GOOD | FAIR | POOR | |
全体の深さ(%) | 57.5-63.0% | 56.0-64.5% | 53.0-66.5% | 51.9-70.9% | 〜51.9% または70.9%〜 |
テーブル広さ(%) | 52-62% | 50-66% | 47-69% | 44-72% | 〜 44% または72%〜 |
クラウン角度 | 31.5-36.5° | 26.5-38.5° | ° 22.0-40.0° | 20.0-41.5° | 〜20.0°または41.5°〜 |
パビリオン角度 | 40.6-41.8° | 39.8-42.4° | 38.8-43.0° | 37.4-44.0° | 〜37.4°または44.0°〜 |
クラウン高さ(%) | 12.5-17.0% | 10.5-18.0% | 9.0-19.5% | 7.0-21.0% | 〜 7.0% または 21.0%〜 |
スターの長さ(% | 45-65% | 40-70% | Any value | Any value | Any value |
ローワーの長さ(%) | 70-85% | 65-90% | Any value | Any value | Any value |
ガードル厚さ | 薄い-やや厚い | 極めて薄い-厚い | 極めて薄い-非常に厚い | 極めて薄い-極めて厚い | 極めて薄い-極めて厚い |
ガードル厚さ | 2.0-4.5% | 0.0-5.5% | 0.0-7.5% | 0.0-10.5% | 0.0- >10.5% |
キューレットの大きさ | 無し-小さい | 無し-普通 | 無し-やや大きい | 無し-非常に大きい | 無し-極めて大きい |
研磨 | EX-VG | EX-Good | EX-Fair | EX-Fair | EX-Fair |
対称性 | EX-VG | EX-Good | EX-Fair | EX-Fair | EX-Fair |