ダイヤモンドの鑑定書。種類の違いと見方について
- 更新日:2023.08.30
この記事の概要は…
目次
ダイヤモンドが使われているジュエリーには、ダイヤモンドの品質を証明する書類「鑑定書」が付属しているもとのそうでないものがあります。
「婚約指輪に鑑定書が付属していたから保管しているけれど、どんなものなのかは知らない」という方も意外と多いのではないでしょうか。
「鑑定書」とは、ダイヤモンドの品質を評価・鑑定する際に発行される品質保証書のこと。
「宝石鑑定書」とも呼ばれますが、これはどちらも通称で、正式には「DIAMOND GRADING REPORT(ダイヤモンドグレーディングレポート)」と呼ばれます。
形、重さや内包物など、それぞれの基準に沿って宝石鑑定の専門家による評価がまとめられています。
ダイヤモンド以外の宝石にも「宝石鑑別書」と呼ばれる証明書がありますが、これは「鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)」とは全くの別物です。2つの違いを解説します。
ダイヤモンドの品質を評価・証明するもので、ダイヤモンド以外の宝石には付属しません。
鑑定書は、ダイヤモンドの重量と品質のグレードを根拠となる測定・検査結果とともに示したもので、GIA(米国宝石学会)が定めた品質評価国際基準である”4C” カラット:重量、カラー:色、クラリティ:透明度、カット:輝き”を基準としています。
4Cの明記とともにダイヤモンドの各部のサイズ(直径の最大と最小値、テーブル〜キューレットの深さ)、プロポーション(テーブル面の割合、クラウン角度、パビリオン角度、ガードルの厚さ等)、紫外線を照射したときの蛍光性の強さ、クラリティ特徴の記号による図示などの測定・検査結果が記載されます。
鑑定書には価格は表記されません。鑑定書に書かれた、記号や文字が何を意味し、何を表すのか読み取ることができれば、誰でもダイヤモンドの品質の良し悪しが分かります。
鑑定書は、元々は天然のダイヤモンドのみに発行されていました。
現在では合成ダイヤモンドにも、簡略化されたダイヤモンドグレーディングレポートが発行される場合があります。
*合成ダイヤモンドに対して発行される品質保証書の形式は鑑定機関によって異なります。
例…GIA:ラボラトリー グロウン ダイヤモンドグレーディングレポート、AGL(一般社団法人宝石鑑別団体協議会):鑑別書
宝石の種類や起源を見分けるもので、品質評価は行ないません。
全ての宝石を対象として鑑別が行われ、石の寸法や重量の測定、検査で得た科学的データをもとに、天然、合成、模造といった石の起源や、カット・研磨以外の人的手段が施されているかなどを証明します。
ダイヤモンドにも「宝石鑑別書」は存在しますが、その場合品質評価はしません。「宝石鑑別書付ダイヤモンド」として品質評価を記載しているものもありますが、これは「鑑定書」とは異なるため注意が必要です。
では「ダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)=宝石鑑定書」とはどういったものなのでしょうか?
主な記載事項は、「カラー(色)」「クラリティ(傷や内包物の程度)」「カット」「カラット(重量)」という、4つの「C」の評価。これは「ダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)」にのみ記載される、品質を保証する基準です。
どの鑑定機関においてもダイヤモンドの品質評価国際基準である「4C」を基準に鑑定を行なうので、ほぼ同一の結果が得られるとされています。
鑑定機関の中でも米国の「米国宝石学会 : GIA」と日本の「中央宝石研究所:CGL」の2社は国際的に信頼性が高い機関です。
ダイヤモンドの品質評価基準である「4C」を定めた、世界で最も権威のある宝石学の国際的教育機関。
GIAのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)には「GIAダイヤモンドグレーディングレポート(GIA)」もしくは「GIAダイヤモンド ドシエ(GID)」の2つのタイプがあります。
「GIAダイヤモンドグレーディングレポート(GIA)」には4Cの評価とクラリティ特性を表すプロット図、ダイヤモンドのプロポーション図が記載されています。
「GIAダイヤモンドドシエ(GID)」はプロット図がないこと、またコンパクトサイズで保存や持ち運びがしやすいことが特徴です。
記載は全て英語で、ダイヤモンドの重さ(カラット)は小数点第2位まで表記されます(例:0.31ct)。
また、GIAのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)が付属するダイヤモンドには、ダイヤモンドの縁にあたる「ガードル」部分に、そのダイヤモンド固有の鑑定書番号がレーザー刻印されています。
肉眼では確認できないほどの小さな刻印ですが、世界でたった一つのダイヤモンドであることを確実に保証してくれます。
※一部のGIA鑑定書付きダイヤモンドには鑑定書番号の刻印がないものもあります。
国内最大手の宝石鑑定機関。
「ハートアンドキューピット(H&C)」を世界で初めてダイヤモンドプロポーションレポートとして添付したり、ダイヤモンドスパークレポートの開発を行うなど、ダイヤモンド鑑定分野での先駆的存在でもあります。
また、海外のラボと関係を結び関係を強化する活動を行っているほか、世界7大宝石ラボラトリーで組織されるLMHC(ラボ・マニュアル調整委員会)に日本で唯一加入し、常に情報の収集・集積に努め世界に発信しています。
日本におけるダイヤモンド鑑定、宝石鑑別では最大シェアを誇り、鑑定書(ダイヤモンドグレーディングレポート)の発行部数は世界最大級です。
中央宝石研究所(CGL)のダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)は日本語と英語で表記され、ダイヤモンドの画像が添付されていることが特徴。
ダイヤモンドの重さ(カラット)は小数点第3位まで表示されます。
(例:0.314ct)また、「ハート&キューピッド」の評価が認められるトリプルエクセレントのダイヤモンドにはプロポーションレポートという写真付きのサブレポートが付属します。
CGLのサイトの「CGL ダイヤモンドグレーディングレポート照会サービス」に、お手持ちのグレーディングレポートやソーティングの番号、カラット数を入力することで、ダイヤモンドの情報を確認することができます。
以上のようにダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)は鑑定機関により、その仕様や記載項目などが若干異なります。
また記載内容は統一基準に基づいていますが、鑑定機関によって鑑定結果が大きく異なる場合もありますので、信頼性の高い鑑定機関によって評価されたダイヤモンドを選ぶことが大切です。
また、ご自身の重視するポイントに合うダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)が付属したダイヤモンドを選んでください。
ご紹介した2つの鑑定機関は日本の宝石業界で最も信頼が篤く、業界基準となる鑑定機関であり、どちらのダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)も信頼できるものです。
CGL(中央宝石宝石研究所)のダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)には、ダイヤモンドの重さ(カラット)は小数点第3位まで表示されます。
この特徴を活かして、お相手の誕生日や二人の記念日など、特別な数字と同じカラット数のダイヤモンドを選ぶことができます。
例えば、
お相手の誕生日が4月18日だったら→0.418ct
ホワイトデー 3月14日 にプロポーズするとしたら→0.314ct
二人が出会った日が 2月28日だったら→ 0.228ct
付き合い始めた日が 5月24日だったら→ 0.524ct
リングの内側にカラット数が刻印され、ダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)にも同じ数字が記載されます。
記念日に合わせたカラット数のダイヤがあしらわれた婚約指輪は、世界で一つの特別な贈り物となります。
ダイヤモンドグレーディングレポート(鑑定書)について理解することで、他にないダイヤモンドやこだわりの婚約指輪を選ぶことができます。ぜひお二人らしい婚約指輪を探してください。
ブリリアンス・プラスでは、海底・ラボグロウンなどの新時代のダイヤモンド、個性的な7種のシェイプを含む、3万個以上のダイヤモンドをご用意。高品質なダイヤモンドを中間流通を介さず、適正価格でお届けします。