青色の範囲はブリリアンスプラスで「人気の品質」、緑色の範囲はブリリアンスプラスの「取り扱いグレード」です。
ブリリアンスプラスで人気な品質の
婚約指輪用のダイヤモンドを選ぶ際は、ひとつの品質に偏るのではなく、4Cすべての要素に関してバランスの良いコンビネーションのものを選ぶことが大切です。
例えば、大きさだけを重視し、内包物が肉眼でも確認できるクラリティグレードが低いものや、カットグレードが低いものでは、見た目の大きさはあっても、ダイヤモンド本来の繊細な煌きや美しさが損なわれてしまいます。そのためプロポーズや大切な贈り物として相応しいとは品質とは言えません。
一方、カラー・クラリティ・カットが最高級グレードでも、小さすぎるカラットでは見た目の迫力や魅力も小さく感じてしまうかもしれません。品質や大きさのバランスが良いダイヤモンドを選ぶことが、特別な婚約指輪にふさわしい品格を生み出す鍵になります。
カットグレードがExcellentのダイヤモンドでは、ラウンドブリリアントカット独特の繊細で上品な強い輝きを存分に楽しめます。初めてダイヤモンドを見る方であれば、カットグレードがGoodでも美しさを感じていただけますが、両者を並べて見比べてみると、その違いは素人目にも感じられることがあります。
(左からカットグレードがExcellent、Good、Poor)
出典: GIA「ダイヤモンドのカット:印象の要因」より
通常、私たちがダイヤモンドを見る時はテーブルといわれる一番広い面を上にします。その状態を「フェイスアップ」と言います。
ラウンドブリリアントカットは、フェイスアップで最も効率よく光を反射し美しく輝くよう発明された形です。
ラウンドブリリアントカットの構造特性上、ダイヤモンドの色を確認する時にフェイスアップの状態だと、光を取り込んで反射させてしまうためダイヤモンドの地色を確認しづらくなってしまいます。これは光には様々な色があり、その光の色がダイヤモンドの地色にも影響を及ぼすからです。
そのためカラーの鑑定は「フェイスダウン」(テーブル面を下)にして、決められた光源環境下、光の影響がなるべく無い状態で行われます。
カラーグレードはフェイスダウンで観察してもグレードを見分けるのは難しく、非常に繊細な作業になります。
例えばカラーレス(D-E-F)グレードでは三者間の違いはわずかで、フェイスアップではほとんど識別できません。次ぐニアカラーレス(G-H-I-J)グレードでも、フェイスアップでは無色、フェイスダウンでほのかな色づきが認められる程度。素人の目には、リングにセットされた状態ではほとんど色づきを感じられません。
ニアカラーレスのHくらいから、斜め横から見た際にほんの少し色づきが気になる場合がある程度です。
クラリティの鑑定には、暗視野照明状態で10倍拡大下の顕微鏡を用います。VSクラス以上のダイヤモンドになると、肉眼での内包物や疵(きず)の確認が不可能なのはもちろんのこと、10倍拡大下で熟練のグレーダーが観察しても、内包物や疵を認めることが困難になります。
そのため婚約指輪などの贈り物用のダイヤモンドには、一般的に内包物や疵があまり見られないVSクラス以上の品質が好まれます。