結婚式のプロが解説「人前式」の魅力は?おすすめの誓いの言葉・演出も
- 更新日:2025.01.17
「人前式」(じんぜんしき)という結婚式スタイルが、注目を集めています。一般的な結婚式は「宗教式」と呼ばれ神様に対して結婚を誓いますが、人前式は会場に来てくださったゲストに対して結婚を誓います。
あなたには「人前式」と「宗教式」、どちらのスタイルが合っているのでしょうか?
数々の人前式をサポートしてきたウエディングプロデュースブランドHAKUさんに、人前式の特徴を、メリットやデメリット、具体的な進行の内容やおすすめの演出などを交え、たっぷりと教えていただきました。
目次
結婚式は、神様に対して結婚を誓う「宗教式」と、ゲストに対して結婚を誓う「人前式」(じんぜんしき)の大きく2つに分かれます。
宗教式で代表的なのが「キリスト教式(教会式)」「神前式」(しんぜんしき)「仏前式」です。「宗教式」は神仏の前ということもあり厳かな雰囲気の式に、「人前式」はアットホームな雰囲気の式になる傾向があります。
「人前式」を選ぶ方は「ゲストに感謝を伝えることに重きを置いた式にしたい」という気持ちを持たれている場合が多いようです。
人前式ならではの魅力を詳しく見てみましょう。
「宗教式」の場合、宗派ごとの伝統的な型を守りながらプログラムを組むため、内容の自由度はあまり高くありません。
対して人前式は決まりごとがなく、会場も演出も思いのまま。人とは違うオリジナリティのある結婚式に仕上げたいという方にぴったりです。
人前式はセレモニーを進行するために、祭司さんに参加をお願いする必要がありません。また、会場も結婚式場以外の、屋外やスタジオなど様々な場所を利用することができます。
そのためプランニング次第ではコストを抑えることができます。
人前式は宗教を問わないため、両家の親族間で信仰する宗教が異なる、またはゲストが異なる信仰を持っている場合でも参加をお願いしやすいです。
また、信者でない人が教会などの宗教施設で挙式をおこなう場合、事前に礼拝や勉強会への参加を義務付けられることがありますが、人前式の場合はもちろんその必要はありません。
人前式はゲスト全員が“愛の証人”になります。また自由に写真が撮れたり、声をかけることができたりと、ゲストと新郎・新婦の距離感が精神的にも物理的にも近いのが特徴です。
改まり過ぎず参加者全員が一体感を楽しめることから「よりみんなの絆が深まる感覚がある」という感想も聞かれます。
自由度の高い人前式ですが、先輩カップルはどのような内容の式をおこなったのでしょうか。ここでは人前式の代表的な流れと、おすすめの演出をご紹介します。
まずゲストが会場に入場します。このタイミングでゲストに結婚証明書へサインをしてもらうケースが多いです。
人前式で使う結婚証明書を用意する際には「ゲストの方に楽しんでサインしてもらえる」そしていつでも眺められるよう「お部屋のインテリアになるおしゃれさがある」という条件を考慮するのがおすすめです。先輩カップルの実例をいくつかご紹介します。
一人ひとつのパズルのピースを手に取り、名前やコメントを書いてもらいます。ピースを集めれば、みんなの想いが詰まった作品の出来上がりです。
小さなタイルに名前やメッセージを書いてもらい、それを集めてひとつのアートに。出来上がった後にお家に飾るのが楽しみになる、愛らしい仕上がりです。
テーブルゲーム「ジェンガ」のピースにコメントを書いてもらうアイディアも素敵です。結婚式が終わった後の披露宴で、ゲストを交えて遊ぶのも楽しそうですね。
未完成の絵を用意し、ゲストが結婚への同意の意味を込めて仕上げます。母印を押してもらったり砂絵用の砂をかけてもらったりと、様々な楽しみ方があります。
作品作りに参加することで、ワクワク感も味わってもらえそうです。
挙式の前に披露宴をおこなう場合もあるかと思います。その際は、挙式会場をゲストに協力してもらい一緒に作るのもおすすめの演出です。人前式ならではの一体感がより一層高まりそうです。
ゲストに見守られながら入場後、開式宣言をします。開式宣言は新郎・新婦がおこなっても、司会を立てても構いません。
人前式では新郎・新婦が誰と、どのように入場するかに決まりがありません。新郎・新婦が一緒に入場してもいいですし、友達やご両親を伴った新郎・新婦が別々に入場するということも可能です。
フラワーボーイ・フラワーガール、フラッグボーイ・フラッグガールは、カゴに入った花びらをまいたり旗を持つなどして、新郎新婦を先導してくれます。
小さなお子さんが務めることが多く、会場を愛らしく和やかな雰囲気でいっぱいにしてくれます。
新郎・新婦が自分たちで考えたオリジナルの誓いの言葉を読み上げ、指輪の交換をおこないます。
人前式のハイライトと言っても過言ではない誓いの言葉ですが、どんな内容にすればいいか悩んでしまう方も多いようです。HAKUの結婚式で実際に使われた誓いの言葉をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
中には新郎・新婦が考えた誓いの言葉ではなく、ゲストからの「〇〇を誓いますか」の質問に答えるという演出を取り入れるカップルも。質問の内容は当日まで秘密。新郎・新婦もドキドキしながら、みんなで和気あいあいと楽しめるひと時となります。
事前アンケートを取っておいてくじ方式で質問を受けるアレンジも、場が盛り上がりおすすめです。
他にも新郎の母から新婦へ、新婦の母から新郎へ、それぞれ誓いの言葉を投げかける演出も、家族の絆が一層深まり素敵です。
誓いの言葉を言うだけでなく、誓いを込めたアートをその場で作るという演出もあります。
写真のカップルは結婚後に大切にしたい「Laugh & be Happy」というスローガンを、海を思わせるペイントが施されたキャンバスに砂絵で描き、ゲストの前で披露しました。
ただ誓いの言葉を言うだけでは恥ずかしい…という場合にもぴったりの演出です。
誓いを込める結婚指輪をゲストに運んでもらう演出です。
親戚などのお子さんに参加してもらう「リングボーイ・リングガール」が定番ですが、他にも愛犬に指輪を運んでもらう「リングドック」、ご兄弟に参加してもらう「リングブラザー」、ラジコンなどを駆使し人形に指輪を運んでもらう「リングドール」など様々な演出が登場しています。
いずれも会場を盛り上げてくれること請け合いです。
新郎・新婦それぞれに結婚指輪を通した長いリボンを用意し、ゲストに後から前へ、新郎・新婦に向かってリングを送ってもらうセレモニーのことです。
演出が長引いて間延びしないよう、ゲストがあまり多くない結婚式で取り入れられることが多いようです。
ゲストに見守られる中、結婚証明書や婚姻届にサインをし、二人の結婚を宣言します。その後ゲストから承認の証として拍手などが贈られます。
ゲストが結婚承認の意思を表す演出は拍手が定番ですが、事前に渡したベルを鳴らしてもらったり、リボンと鈴の付いたスティック「リボンワンド」を振ってもらうなど、様々な方法があります。
写真のカップルはその場で二人が仕上げた「レモンチューハイ」を配りみんなで乾杯してもらうという演出を選び、大いに盛り上がったそうですよ。
ゲストに参加していただいたことへのお礼を述べて人前式は閉式。拍手の中、新郎・新婦は退場します。
新郎・新婦が会場を後にする際に、ゲストに装飾品をまいてもらう「〇〇シャワー」という演出が人気です。お好みや式の雰囲気に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
人前式の最後に屋外でゲストと一緒に風船を飛ばす「バルーンリリース」も憧れる方が多い演出ではないでしょうか。色とりどりの風船が空に上がっていく姿はなんとも華やかです。風船の中に植物の種を植えて「未来への想いを込める」アレンジも人気です。
ただし会場によってはバルーンリリースに対応していない場合もあります。バルーンリリースをおこないたい方は、会場選びの際に事前に確認しておくと安心です。
自分達らしさが出せるなど魅力がたくさんある人前式ですが、注意すべき点もあります。
最近でこそ多様化しつつある結婚式ですが、人前式などの自由な形式の結婚式はまだまだ馴染みがない方が多く、場合によっては「格式がない」など否定的な受け取り方をされる場合もあります。
結婚式は両家の縁を結ぶ大切な儀式です。後にわだかまりが残らないように、身近な親族である両家のご両親やおじいさま、おばあさまには「人前式をしたい」旨を事前に相談しておきましょう。
人前式は自由度が高い分、プランニングが難しいという特徴があります。限られた時間の中にどんな演出をどう盛り込むか…考えることはたくさんあります。
お二人だけで抱え込み精神的にも肉体的にも辛くならないように、しっかりとマネージメントする必要があります。
人前式は宗教式と比べてコストが抑えられる傾向にありますが、具体的にどれくらいの費用が必要なのでしょうか?
まずは会場費。ホテルやレストラン、スタジオやゲストハウスなど、どのようなタイプの、どれくらいの広さの会場を借りるかによって使用料は異なりますが、10〜60万円に設定されていることが多いようです。
また、人前式用に祭壇を作るのであれば5万円ほどの設置費用が必要。司会を友人やプロにお願いするのであれば、謝礼の準備が必須となります。司会の謝礼の相場は、友人に依頼する場合人前式と披露宴を含めて3万円程度、プロに依頼する場合人前式で1万5,000円、披露宴で12万円程度です。
その他、結婚証明書やリングピローなどの小物、演出のための小道具費用が必要に応じかかってきます。
このように人前式の費用は、自分達の意向によって大幅に変わってきます。どのような結婚式にしたいのかしっかりと具体的な案を立てた上で、費用を試算していきましょう。
せっかく人前式をおこなうのであれば、みんなに「いい式だったね!」と言ってもらえるような時間にしたいものです。今までに数多くの人前式をプロデュースしてきたHAKUから、人前式を成功させるためのポイントを3つ教えてもらいました。
場所に縛られない人前式だからこそ、自分たちらしい会場選びにこだわりたいものです。
結婚式の定番であるホテル・教会・パーティー会場などはもちろんのこと、レストランやカフェ、古民家、撮影スタジオやゲストハウスなどを借りておこなうこともできます。他にも思い出の場所や、屋外でおこなうのも素敵です。
お二人のテーマにあった場所を探してみてください。
ゲストとの距離が近いのが人前式最大の特徴。そのため参列者に参加してもらえる演出を盛り込むと、より人前式らしさが出て会場が盛り上がります。ゲスト全員が参加できるような演出を一つでも取り入れてみましょう。
「人前式の流れ」の章でご紹介した演出もぜひ参考になさってください。
自由度が高く様々な演出が盛り込める人前式ですが、新郎・新婦の想いだけでプランを立ててしまうと、参列者の気持ちが置いてきぼりになり、盛り上がりに欠ける挙式になってしまう可能性もあります。
ゲストを大切にする人前式だからこそ「ゲストが楽しめるか」を忘れずにプランを立てるようにしましょう。
どんな人前式にしたらいいか悩んだら、結婚式をプロデュースしている会社やプランナーに協力してもらってはいかがでしょうか。第三者から俯瞰してプランを立ててもらうことで、式全体に統一感が出るだけでなく「自分達だけでは気づかなかった自分達らしさのある人前式」を作ることができます。
個性はありながらも、どなたにも受け入れられる式になるようアドバイスしてもらえたり、様々な面で相談にのってもらえるのもメリットです。
実際に人前式をおこなった先輩カップルの感想をご紹介します。
こんな結婚式は初めて!とか、楽しかった!と言ってもらえました。
30歳にもなるといわゆる一般的な結婚式には皆さん参加したことがあると思うので、参加して楽しんでもらって、思い出に残るような結婚式にしたいという思いがあったので、本当に嬉しかったです。
またカジュアルな雰囲気もあってか、狙い通り、新郎新婦の友人や会社の垣根を越えてゲスト同士が仲良く喋っている風景がとても嬉しかったです。
(名古屋 Y&Eさん)
その他にも以下のような声が多く寄せられます。
来ていただいた方に結婚を誓う形が、自分たちには合っていたと思います。
母親から誓いの問いかけをしてもらったのですが、初め聞く話が多く、とても思い出に残りました。
これからの夫婦生活で立ち返れる約束事ができた、特別な時間でした。
自由度の高さと、人のあたたかみを感じられるカジュアルさが魅力的な人前式。あなたの理想の結婚式にマッチするスタイルだったでしょうか?ふたりらしい結婚式を挙げたいという方はぜひ人前式に挑戦してみてください。
きっと一生の思い出に残る、とっておきの時間を過ごせるはずです。
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