ラボグロウンダイヤモンドとはどんなもの?特徴や価値、選び方まで解説
- 更新日:2024.07.10
雑誌などで取り上げられることも増えてきたラボグロウンダイヤモンドですが「実際にどんな特徴があるのか」「天然のダイヤモンドとはどう違うのか」知らないという方も多いのではないでしょうか。
新時代のダイヤモンドと言われているラボグロウンダイヤモンドの特徴や魅力を、ダイヤモンドジュエラーであるブリリアンス・プラスが、一から丁寧にご紹介していきます。この記事を読んでいただければ、ラボグロウンダイヤモンドの基礎知識をしっかりと網羅することができます。
この記事の概要は…
目次
ラボグロウンダイヤモンドと天然のダイヤモンドの違いは大きく4つ、「原石のでき方」「原石の形」「成分」「採取方法とサステナビリティ」です。
天然のダイヤモンドは10億年以上前、地球の表面下150〜200km以上の深い場所で、極端な温度と高圧によって炭素原子が強固に結合し誕生したもの。数億年もの間地球の奥深くに眠っていましたが、激しい火山活動の影響で地表に運ばれ、現在のように人の目に触れる状態になりました。
一方でラボグロウンダイヤモンドは、技術者の手によって研究所(ラボラトリー)で生まれます。
生成方法には、天然のダイヤモンドと同じ高温高圧環境を再現する方法(HPHT)と、グラファイトや炭素ガスを原料としてメタンガスとマイクロ波で成長させる方法(CVD)の2通りがあります。
店頭で見るダイヤモンドはすでにカッティングを終えフォルムを整えた状態ですが、その前段階である原石の形が、天然のものと合成のものとでは異なります。天然のダイヤモンドの原石は八面体ですが、ラボグロウンダイヤモンドの原石はその製法に応じて、立方八面体あるいは立方体をしています。
約98%の天然のダイヤモンドには、形成中に取り込まれる窒素や、炭素以外の極小の異物が含まれます。ラボグロウンダイヤモンドにはそういった不純な元素や不純物は見られません。
天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドを見分ける際には、この微細な成分の違い等を専用の機械で計測し判断します。
天然のダイヤモンドを手にするためには、鉱山や川底・海などで採取作業を行う必要があります。特に鉱山での採掘作業は、大量の土を掘ることで土壌汚染を引き起こしたり多くの二酸化炭素を排出するなど環境負荷が大きく、また、採掘場での児童労働や低賃金、無償労働、人権問題などの原因となるケースもあります。
ラボグロウンダイヤモンドは電力を消費して生成されますが、採掘プロセスに伴う二酸化炭素ガスの排出がないという点で天然ダイヤモンドと比較して環境に優しく、採掘が原因の倫理的な問題も生じないため、よりサステナブルであると考えられています。
このような違いがある一方で、天然のダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは、密度を含む光学的・物理的・化学的特徴は全く同じです。
ラボグロウンダイヤモンドの合成方法には「HPHT」と「CVD」の2種類があります。それぞれどうやって結晶を生成させるのか、メカニズムが大きく異なります。
生成法 | HPHT(高温高圧法) └ 高圧(high-pressure)高温(high-temperature)の略 | CVD(化学気相蒸着法) └ Chemical Vapor Deposition(化学気相蒸着)の略 |
要約 | 天然ダイヤモンドの生成環境を再現した方法 | メタンガスとマイクロ波を使って成長させる方法 |
詳細 | 精製された純度の高いグラファイトを ・約1300〜1600℃ ・約5〜7GPaの圧力 を発生させる人工プレスに投入します。 | 炭素を含むガスを成長炉へ導入し、マイクロ波エネルギーを使用してプラズマになるまで約700〜1,000℃で加熱。 プラズマ中の炭素を種結晶に蒸着させます。 |
HPHTは、天然のダイヤモンドの生成過程を工業的に再現した方法です。非常に高い温度と圧力を利用するのが特徴で、その圧力は「人のつま先に象を80頭乗せるのに等しい」と言われています。完成する結晶の形は立方八面体です。
HPHTは結晶化が早いため、よりスピーディーにダイヤモンドを生成することが可能です。
CVDは薄くスライスしたダイヤモンドの「種」に、メタンガスをマイクロ波で分解し炭素を雨のように降らせることで、ダイヤモンドを成長させます。完成する結晶の形は立方体です。
HPHTに比べ温度が低く済むため必要なエネルギーが少なく、環境に優しい生成方法と言えます。また不純物のコントロールが容易なことから、純度の高いダイヤモンドを作りやすいのが特徴です。
コラム:ブリリアンス・プラスのダイヤモンドについて
ブリリアンス・プラスが取り扱うダイヤモンドは、CVDで生成されたダイヤモンドです。また、仕入れを、アメリカの監査機関(SCS Global Service)でサステナビリティ認証(※)を受けたメーカーから行うことで、より一層、環境と社会に配慮されたラボグロウンダイヤモンドをお届けすることができます。
※ サステナビリティ・環境分野における認証・監査機関である米国SCS Global Serviceが設けるリサイクル認証のこと。原産地のトレーサビリティが保証されていることや持続可能な生産方式であること等の認証基準を満たすことで取得できる
原石の形を整えるカッティングが行われると、肉眼では、HPHTとCVDどちらの方法で作られたラボグロウダイヤモンドかを見分けることはできません。どちらの方法でも、美しく輝きを放つダイヤモンドを作ることができます。
人工的に作られたラボグロウンダイヤモンドを、天然ダイヤモンドに対して「偽物」と捉える声もありますが、実際のところはどうなのでしょう。ラボグロウンダイヤモンドの先進国である欧米では、分析学的・分類学的・科学的に、また見た目も天然のダイヤモンドと同じであるという事実から「本物のダイヤモンド」であるという認識が、広く受け入れられています。
・2018年に米連邦取引委員会(FTC)が天然ダイヤモンドもラボグロウンダイヤモンドも物質的にダイヤモンドであると認め、どちらも等しく「ダイヤモンド」と記載できることになりました。国際標準化機構(ISO)も同様の見解を示しています。
・ラボグロウンダイヤモンドの品質は、天然のダイヤモンドと同じ「4C」という基準で評価されています。
・どちらのダイヤモンドも炭素の結晶です。
・ラボグロウンダイヤモンドはモース硬度と呼ばれる宝石の硬さを表す尺度が、天然のダイヤモンドと同じく最高値である10を示します。ダイヤモンド以外にモース硬度が10である物質はありません。
・どちらのダイヤモンドも肉眼では同じ物質に見えることが知られており、さらに光の反射指数がどちらも2.417で、光学的にも同一と言えます。
多くの科学的な根拠から、ラボグロウンダイヤモンドは天然のダイヤモンドと同じものであると、考えられているのですね。
ラボグロウンダイヤモンドと似た用語に「合成ダイヤモンド」があります。それぞれ何か違いがあるのか、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。実はこれはラボグロウンダイヤモンドの別名であり、どちらも全く同じものを表しています。
他にも「人工ダイヤモンド」「養殖ダイヤモンド」という呼び方がありますが、こちらは適切な表現ではないという意見もあり「合成ダイヤモンド」ほどは使われていません。
ラボグロウンダイヤモンドを検討する際に、同じく人工的に生まれた、合成キュービックジルコニアや合成モアサナイトの名前を目にするかもしれません。
この2つはダイヤモンドに見た目が似ていることから、ダイヤモンドの代替品として利用されることがあります。しかし、ダイヤモンドとは異なる化学組成、結晶構造、光学的・物理的特性を持っていることから「模造ダイヤモンド」と呼ばれます。
つまりラボグロウンダイヤモンドとは異なり「ダイヤモンド」とは全く別の物質です。
模造ダイヤモンドの中で最も一般的な合成キュービックジルコニアはジルコニウムを、合成モアサナイトは炭化ケイ素を結晶化したものです。合成キュービックジルコニアとダイヤモンドは、肉眼で見た際に見分けるのが非常に難しいと言われています。対して、合成モアサナイトはダイヤモンドに比べ、より強い白色光や虹色光を放つため、見比べた際に違いを感じやすいはずです。
ラボグロウンダイヤモンドを使ったジュエリーは、ダイヤモンドの大きさを生かした魅力的なデザインが多く揃っています。
ここでは一例として、ブリリアンス・プラスで取り扱っているラボグロウンダイヤモンドのジュエリーをご紹介します。
ラボグロウンダイヤモンドならではの大きさを生かした遊び心あるデザインは、婚約指輪にも、とっておきのファッションジュエリーとしても。正面だけでなく、身に着けている際に最も目に入る横顔の美しさにもこだわっているのが特徴です。特別なシーンだけでなく、日常でもたくさん身に着けたくなるリングです。
澄み切った輝きを意味するラボグロウンダイヤモンドリング『クリア』。丸みのある大きな2本爪をあしらったシンプルなデザイン、センターストーンを引き立てるこだわりのシルエットで、存在感のあるダイヤモンドのありのままの美しさを、様々な方向から楽しむことができます。
クロスし重なり合うアームが印象的な、大胆でファッショナブルなラボグロウンダイヤモンドリング『アラウンド』。溶け込むような2本の爪でセンターストーンを支えるデザインは、引っかかりにくくストレスフリーな着け心地も魅力です。
二人の重なる想いを刻むラボグロウンダイヤモンドリング『タクト』。V字のカットで彫刻のような光の陰影を生み出すことで、優しさの中にも整列美を表現したピンクゴールドのアームが、ラボグロウンダイヤモンドの存在感をより引き立てます。適度なボリュームでコーディネートのアクセントとして活躍してくれます。
凛とした透明感をまとい舞台に立つ、その姿をイメージしたラボグロウンダイヤモンドリング『プリマ』。存在感あるダイヤモンドの輝きを、華奢なアームと横顔華やかな石座がより一層引き立てます。シンプルで洗練されたデザインは、様々なコーディネートやシーンにマッチします。
人を惹きつける華やかさを表現したラボグロウンダイヤモンドリング『プラザ』。存在感あるダイヤモンドを、華奢なエタニティアームと石座の下に隠されたヘイローが、鮮やかに引き立てます。上から見るとシンプル、横から見るとゴージャス。角度によって変化する印象も魅力です。
ここまでラボグロウンダイヤモンドの特徴を見てきましたが、天然のダイヤモンドと比べた際のメリットを改めて確認してみましょう。
天然のダイヤモンドと比べて価格がリーズナブルである分、同じ予算でより品質がよく、大きなダイヤモンドを選ぶことができます。ブライダルなどの一生ものの記念品としてとっておきのダイヤモンドをお探しの方はもちろん、年齢を経てより存在感のあるダイヤモンドジュエリーを身に着けたいと思うようになった方、もっと気軽に華やかなダイヤモンドジュエリーを取り入れたい方にもぴったりです。
例えば婚約指輪の場合、天然のダイヤモンドを使ったリングの場合、最もよく選ばれる0.2〜0.3ctのダイヤモンドと最もバランスの良いデザインが多くを占めます。一方でラボグロウンダイヤモンドを使った婚約指輪の場合、より大きなダイヤモンドが引き立つように企画されるケースが多く、一味違う存在感や遊び心を感じることができます。
研究所で生まれるラボグロウンダイヤモンドには、採掘の行程が必要ありません。特に鉱山での採掘作業には倫理的な問題や、自然破壊や大気汚染など環境に与える影響が大きいと言われています。その点、採掘作業が不要なラボグロウンダイヤモンドはよりサステナブルなダイヤモンドです。
コラム:多くのセレブを魅了するラボグロウンダイヤモンド
服など様々な製品において、サステナブルやエシカルが重視されるようになりつつありますが、ジュエリーも例外ではありません。メーガン・マークル(Meghan Markle)やエマ・ワトソン(Emma Watson)、ジェシカ・アルバ(Jessica Alba)など多くのセレブリティが、ファッショナブルな装いのため、そしてサステナブルやエシカルを支持する自身の姿勢を世界へ発信するために、ラボグロウンダイヤモンドのジュエリーを愛用しています。
まだ日本の市場に出回り始めてから日が浅いラボグロウンダイヤモンドは、取り扱うブランドや販売店、メーカーごとに、規格が異なる場合が少なくありません。ここではラボグロウンダイヤモンドを安心して選ぶために、注目しておきたいポイントを3つご紹介します。
ラボグロウンダイヤモンドは天然のダイヤモンドとは異なり、4Cと呼ばれる品質を明確にせず取り扱われているケースがあります。ラボグロウンダイヤモンドは人の手によって整えられた環境下で作られますが、全てのダイヤモンドが高いクオリティで仕上がるわけではありません。
婚約記念品など一生ものとしてお求めの方は特に、品質表示があるものを選ぶことをおすすめします。
ブライダルジュエリーとしての購入を検討されている場合、ブリリアンス・プラスでは以下の品質をおすすめしています。
※IDEALは鑑定機関IGI(国際宝石学会)と、GCAL(宝石鑑定保証研究所)が採用しているグレードであり、カットグレードの中での最高位を指します。GIA(米国宝石学会)とCGL(中央宝石研究所)ではIDEALというグレードを採用しておらず、相当する品質はGIAの最高位であるグレードExcellentの範囲に含まれます
婚約指輪に留めるダイヤモンドには、将来の年齢を経た手元にも映えるよう、存在感のある0.3ct以上を選ぶことをおすすめしています。さらに、ラボグロウンダイヤモンドの場合は同じ予算でより大きなダイヤモンドを選ぶことができるため、華やかさを存分に楽しめる0.5ct以上をご紹介しています。
品質を証明する鑑定書(ダイヤモンド・グレーディング・レポート)の有無も、ブランドによって異なります。鑑定書はダイヤモンドの品質を保証する安心材料になります。一生ものの贈り物の際には、こちらも品質と同様、ぜひ注目しておきたいポイントです。
ラボグロウンダイヤモンドは人の手によって作られるため「どんなメーカーで作られているか」という観点でも選ぶことができます。どのような背景で始まった会社で、どんな信念を持って、どのような取り組みを行っているか。そのような点も踏まえることで、より思い入れのあるダイヤモンドが選べるはずです。
コラム:ブリリアンス・プラスのラボグロウンダイヤモンドのこだわり
一生もののダイヤモンドジュエリーとして安心して選んでいただけるよう、ブリリアンス・プラスのラボグロウンダイヤモンドは、3つのポイントにこだわっています。
ダイヤモンドジュエリーの選択の幅を広げてくれる、新しいダイヤモンド「ラボグロウンダイヤモンド」。希少性が高い王道の天然ダイヤモンドにも、ラボグロウンダイヤモンドにも、それぞれ異なる魅力があります。どんなシーンで身に着けるのか、どんなデザインがいいのか、どんな想いを込めたいのか…ジュエリーを通じて形にしたいあなたらしさに想いを馳せながら、最適なダイヤモンドを選んでみてください。
ブリリアンス・プラスでは、海底・ラボグロウンなどの新時代のダイヤモンド、個性的な7種のシェイプを含む、3万個以上のダイヤモンドをご用意。高品質なダイヤモンドを中間流通を介さず、適正価格でお届けします。